The Keeper

Ydessa Hendeles, Partners (The Teddy Bear Project), 2002. Photo: Robert Keziere

Ydessa Hendeles, Partners (The Teddy Bear Project), 2002. Photo: Robert Keziere

「収集されたものたち」に焦点を当てた企画展。いつの時代でも人は「もの」に執着し、深く愛し、その欲望を注いできた。展示はアーティスト、コレクター、学者、収集家など、様々な立場の人たちによって集められた、価値のあるもの、あるいは日常に溢れるような無価値なものの集合体だ。今展の目玉「パートナー(テディベアプロジェクト)」では、3000以上の家族から集めた家族写真とテディベアが部屋を埋め尽くす。膨大な数の家族写真は、「テディベア」という共通モチーフにおける人の相違点や環境の違いなど、様々なストーリを私達に想起させる。「テディベア」は同時に、人々の「もの」への愛情・執着を示す一つの象徴となり、それはまるでかつてそこにあった「欲望の残骸」が転がっているようでもある。その他、ロジェ・カイヨワの珍しい石の集合体や、ハリースミスのあやとりのコレクション、大竹伸朗のコラージュされたスクラッチブックのシリーズなど、多種多様なコレクションによって構成。記憶の集積であるといえる「もの」。こうした記憶の結晶に立ち会うことで、私たちは傍観者ではなく目撃者となり、一直線上ではない交錯した時間を体験できる。(中井澪)

9月25日まで
The New Museum of Contemporary Art
235 Bowery
212-219-1222
11:00am ~6:00pm、木11:00am ~9:00pm、月/火休館
大人$12、シニア$10、学生$8、18歳以下無料
www.newmuseum.org